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今、話題の宣伝関係者インタビュー vol6

今回は、今江と以前から親しい?インテグレート代表藤田さんにお話を伺ってきました。改めてお仕事は何を・・・なんて伺うのもなんなんで、「最近どう?」なかんじのインタビューになりました。

藤田 康人(ふじた やすと)さん  プロフィール

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主な経歴
1964年、東京都生まれ。慶応義塾大学文学部人間関係学科を卒業後、味の素株式会社に入社。甘味料事業部で低カロリー甘味料アスパルテームの開発・営業、ダイエットコークの製品開発などを担当。1992年、ザイロフィン ファーイースト社(現ダニスコジャパン)を、フィンランド人の社長と2人で設立。むし歯予防効果のある甘味料キシリトールの厚生省への許認可申請などのプレマーケティングを担当。97年にキシリトールを日本に初めて導入し、素材メーカーの立場からキシリトール・ブームを仕掛けた。キシリトール製品市場はゼロから2000億円規模へと成長。2005年、日本PRアワード・グランプリを食品素材メーカーとしては史上初めて受賞。2007年5月マスメディア、ウェブ、バイラルなどのクロスメディアを駆使する統合型マーケティングを実践するマーケティングエージェンシー、インテグレートを設立。著書に『99.9%成功するしかけ』(かんき出版)、『漂流する広告・メディア』(日経BP企画)がある。

★株式会社インテグレートURL: http://www.itgr.co.jp/
主な受賞暦
主な作品

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【今江】最近どうですか?

【藤田】こんな時代ですが、おかげさまで順調に引き合いをいただいていて、案件の数も増えましたし、一件一件のサイズも大きくなっています。


【今江】それはどうしてなんでしょう?

【藤田】単純になんか新しいことをしたいっていうのと、今までマス広告を中心にマーケティングをやってきたけど、どうもそれだけではなかなか結果につながらないってことをみなさん感じられて、ここ数年マス広告以外に色々ブログとか、ネットとか戦略PRとかを代替発想でやってきたんだけど、結局マス広告ほど突き抜けるような施策っていうのはあまりなくて、やはりマス広告をある程度やらなきゃいけないってことにみんな気付いたんですね。マス広告に替わるものはないと。マス広告と何を組み合わせるかによって、マス広告が活きもするし、死にもするということに気付かれた。ところがふと周りをみまわすと、PRがわかって、広告のこともなんとなくわかって、WEBのこともわかって相談できる会社がないと。PR会社だとPRをやろうって話にはなっても、じゃあそれをどうやって広告と連動させるか、WEBと連動させるかって案はでてこない。そんな中で、インテグレートなら、IMC(Integrated Marketing Communication)と標榜しているとおり、全体の話をざっくりとしていただいたときに何でもそれなりに対応できます。人も90人近くなって、大手代理店出身の人とかもいますし、さまざまな案件を受ける体制ができたということもあります。

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【今江】案件はどこからはいってくるんですか?

【藤田】いわゆる営業というのはしていません。私の講演やセミナーで知ってくださったり、あとは本を読んで下さったとか、口コミ、ご紹介です。代理店からくる案件もあります。件数的には代理店からのほうが多いですが、売上げ的には直接ご依頼いただく案件のほうが上回っています。

【今江】発注元はどういう部署ですか?

【藤田】インテグレートの場合、一番多いのは事業部ですね。宣伝部はほとんどありません。宣伝部がシュリンクしてきている傾向の企業が多くて、予算も事業部がにぎっているので、事業部とやりとりしていますね。

【今江】宣伝部とか広報からやっかみをうけたりすることはないですか?

【藤田】そういったことはなくって、むしろ積極的に関わって頂き逆にすごく興味をもっていただいています。

【今江】代理店なんかはかなりしんどい状況になっているようですが、そこらへんについてはどう考えますか?

【藤田】クライアントが総合的な提案を求めているのに、未だに広告中心の提案をしてくる事が多いからでしょうね。あとソリューションが広がっていることもあるでしょうね。インテグレートでも去年のプランニングの企画書と今年の企画書ではぜんぜん違うんです。ぼくらもすごく勉強してますし、あといろんな案件がくるので、OJTでできるようになります。うちが今伸びられる最大の理由はここだと思います。難しくて辛い案件なんですけど、そこでみんなすごい知恵を絞って新しいソリューションを考えたり、新しいメディアとの関係性を作ったり、さらにそれをナレッジしたり、それで会社の体力がぐっとあがっています。iPadが出てきて電子図書の中にどうプロモーションを組み込むかを考えたりしていますが、そんなこと半年前までは全く考えなかったことですよね。Twitterがでてきたり、記者発表は必ずUstreamで流さなくちゃいけなくなったり、どんどんめんどくさくなって幅が広がってるので、ほんとうに大変です。

【今江】なるほど。確かにそうですね。ちなみに今後についてはこうしていこうとか、会社の方針とかはありますか?

【藤田】インテグレートのビジネスモデルのいくつかの柱の中で一番大きいのが情報開発です。調査分析して仮説をつくって、グループインタビューやオピニオンヒアリングで検証していく。ここをベースにしていきながらPRやエディトリアルをやっていく方向です。

【今江】エディトリアルは伸びてるんですか?

【藤田】伸びてますね。編集記事っていうと、メディアの魂を金で買っているんじゃないか、とか批判する方もいますが、当たり前ですが記事が買えるわけなんかないわけです。そうではなくて、メディアが書きたくなるような情報やコンテンツを徹底的に調査分析して全部セットアップして提供しているんです。そのかわり成功報酬の形で露出時期のある程度の確約と二次使用権はいただいています。店頭のプロモーションと連動していなきゃいけなかったりするので。クライアントにとって、こんな広告を出しました、では価値がないけど、こんな記事が出てますってのはものすごく価値があるじゃないですか?通常は違法コピーして配っちゃってるからオフィシャルの施策にはできないんです。でもうちの場合はそこをクリアーしているからニーズが高いんです。

【今江】それは商品として売っているんですか?

【藤田】はい。PRもいいのですが、出るかどうかわからないものにお金を払うのって、ちょっとなあ、てあるじゃないですか?エディトリアルだと成功報酬のスタイルである程度露出時期までコントロール出来るので確実ですよね。それからエディトリアル以外で急激にのびているのは、ネット周りのところですね。ネットの制作と集客と、ネットから先のTwitterとかCGMみたいなところまで最近ではトータルで受けています。昔はネットっぽい案件だとネットがついているっていうかんじだったのですが、今はネットの制作の部分含めて切り離せなくっているんですよ。昔は制作は外に依頼していたのですが、今はそこまで含めてトータルプロデュースができなきゃいけないので、大手メーカーでネットのWEBマスターだった人を採用してプロデュースしたりしてます。統合マーケティングの中でも、いわゆるネット広告とは違う、PRっぽいこととか含めたネット領域が広がっています。eコマースの会社からネット通販のサイトそのもののリニューアルの依頼がきたりとか、コンサルティングや集客の引き合いもすごく増えているんで、一番上流のコンサルティングをやりながら、下側ではネットの案件がこれからぐっと増えてくると思います。今までのネット広告会社とかネット制作会社がやってたこととはちょっと一線を画す領域ですね。ここらへんの案件が増えていくので、人材もビジネスリソースも投入していくことになっていくのかなと思います。

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【今江】ネットだけの分野をやっていくとかいうことではなく、上流のコンサルティングも含めてやっていくということですよね?

【藤田】ネット通販とかネットサービスとか、ネットしかやっていないところに対しては、ネットオンリーになることもありますけど、ネットの中だけでやれることってあまりないんですよね。ブロガーにサンプリングしてどうとかではなくて、テレビで面白い情報番組を企画したり、ある程度以上の露出を出せば必ず書き込みはでてくるんですよ。結局日本ではまだマスの力が圧倒的に強いので、そこを切り離してネットネットっていうのってぴんとこないです。

【今江】ぼくもそう思います。でも若い人たちはそう考えないみたいなんですよね。メディアもネットの話題でいっぱいだし。

【藤田】メディアも新しいことが好きなんで、マスメディアに話題がないからネットをもち上げてるっていうのもあるでしょうね。

【今江】最近のおもしろい事例を教えていただけますか?

【藤田】ワコールさんでやっているバストのエイジングケアの話がおもしろいですよ。ずっと同じ人を25年にわたっておいかけた、女性の体形変化に関する研究結果をこないだの4月に発表したんですよ。25年くらいの間にずっと変わらず20代のときの体型を維持している人とそうでない人がいて、エイジレスで美しいままの人がいるんですよ。そういう人って3つのことをちゃんとやっていて、1つは適切な食事をとっているということ、2つ目はちゃんとそこそこの運動をしているということ、最後3つ目がサイズのあったブラジャーをつけていること、なんですよ。胸ってクーパー靭帯っていうので支えられていて、それが一回伸びちゃうと元に戻らないんですって。で、胸って垂れちゃうんですよね。どんな人も20代から30代にかけて胸がそげて、たわんで、外に流れるらしいんですが、それを加速させるのが揺れなんですって。形と柔らかさでブラジャーのフィッティングが違うんですが、間違ったブラジャーを選んでいるだけでその揺れを加速しちゃうんです。ジャストフィットサイズの測り方が自分ではわからなくて、日本人の71%が、実はまちがったブラジャーをつけているんだそうです。正しい測り方ができるビューティーアドバイザーっていうブラジャーフィッターを、唯一自社でもってるのがワコールなんです。間違ったブラジャーをつけていると、保てたはずのものが垂れてしまう。だから必ず買うたびにサイズを測らなくちゃいけないんです。ていうのをぼくらが情報発信しています。キャンペーンもこれから展開していきます。

【今江】それは楽しみですね。またお話聞かせてください。今日はありがとうございました。


【満木の感想】
ためになるお話が満載のインタビューでしたが、最後のブラジャーの話が一番盛り上がったのは・・・・しかたありませんね(笑)。藤田さんに興味をもたれた方、朗報です!システムアイで藤田さんをお招きしてセミナーを開催いたします(10月予定)。詳細が決まり次第ご案内しますので、お楽しみに。